リンパ球は複雑な攻撃力を持っている

免疫細胞のリンパ球にはB細胞とT細胞があります。B細胞は骨髄で増殖し、外敵に合わせた抗体を作り出して外敵と戦います。抗体は大砲から打ち出される砲弾にたとえられます。それぞれの抗体は1種類の外敵にだけ有効なもので、その抗体を作る情報はB細胞の中に組み込まれています。つまり、未知の外敵に対してもB細胞は、あらかじめ対応できるだけの情報を膨大に準備していることになるわけです。
T細胞は骨髄で作られたあと、胸腺で成熟して活動能力を高めていきます。T細胞は、その役目によってヘルパーT細胞、キラーT細胞、サプレッサーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞の4種類に分けられます。
ヘルパーT細胞は、B細胞が抗体を作り出すのを助けます。キラーT細胞は、外敵を直接的に攻撃するミサイルにたとえられます。キラーT細胞は働きすぎると外敵だけでなく味方である自分の身体の細胞を傷つけることがあります。これが免疫異常やアレルギーの原因となっていますが、働きすぎを抑えて免疫作用を調整するのがサプレッサーT細胞の役割となっています。ナチュラルキラー細胞は腫瘍を主に攻撃して破壊する働きがあります。
T細胞は胸腺で成熟していきますが、胸腺は15歳ころまで成長し、それ以降は退縮していき、40歳を過ぎると機能が徐々に失われていきます。40歳を過ぎると免疫が低下し続けるのは、胸腺の機能が低下して、T細胞の働きが低下することに関係しています。
次に活性酸素による免疫ですが、細菌などが身体の中に入ってきたときに、その近くに活性酸素があると、マイナス電子が欠けている活性酸素は細菌の細胞膜からマイナス電子を奪っていきます。マイナス電子を奪った活性酸素はプラスとマイナスの電子のバランスが取れた正常な酸素に戻っていきます。マイナス電子を奪われた細菌の細胞膜は、そのままでは細胞膜が壊れやすいために細胞の中からマイナス電子を移していって細胞膜を維持しようとします。次々と細胞内の電子が移っていって、細胞の中心部にある核のマイナス電子が奪われると、その細胞は働きが止まり、破壊されることになります。