レジスタントスターチは自然便秘薬だけの役割なのか

テレビ番組で、レジスタントスターチが第二の自然便秘薬と紹介されてから、それが含まれるヤマイモの人気が一気に高まっています。第一の自然便秘薬は食物繊維で、水溶性食物繊維が便を軟らかくして、不溶性食物繊維が腸壁を刺激して便通をよくする機能があります。レンジスタントスターチというのは、消化されずに大腸まで届くデンプンのことで、消化も吸収もされないというところは食物繊維と同じ性質ですが、普通の食品として毎日100g、分量とすると小鉢1杯分を食べるだけでよいというので、これなら誰にでもできる便秘解消の方法となります。
レジスタントスターチが多く含まれているのは、100g中で自然薯(ジネンジョ)が16.0g、ツクネイモが15.3g、イチョウイモが12.0gと多いのですが、安く出回っているナガイモで5.8gとなっています。ナガイモは少ないようでも食べる機会が多いので、ナガイモを番組ではすすめていました。レジスタントスターチの量は生での話で、70℃以上に加熱すると0.8gまで下がってしまいます。ナガイモは生のままで食べられることもメリットです。
ナガイモは中国や台湾では山薬と呼ばれていて、血糖値、中性脂肪値、コレステロール値を下げることから日本からの輸入量が増えています。この作用はレジスタントスターチによるものですが、レジスタントスターチ以外のデンプンが含まれているので、それなりのエネルギー量はあります。100gあたりで60kcalほどです。糖質制限ブームの時代には、これも気になるかもしれません。実はレジスタントスターチはサプリメント成分でもあって、難消化性デキストリンとして知られています。サプリメント成分なら、エネルギー量の心配はなくて、しかも糖質や脂質の吸収を妨げる作用もあります。
台湾ではナガイモの粘りが気になって食べにくいという人に、すりおろしたものに牛乳やヨーグルトを加えた食べ方をしていると番組で紹介されていました。この方法は案外と使えるかもしれないということで、話題の一つとして紹介させてもらっています。