一食抜きをしてよいタイミング

食事で摂ったエネルギー源が余分に蓄積される脂肪のもとになっているということなので、食事の量を減らすか、1日に三食の食事を1回でも抜けば蓄積される体脂肪が減るということは普通に考えることです。ダイエットのために抜くとしたら、どの食事が効果的かということはよく聞かれます。できることなら抜くことなく、三食のエネルギー量を考えて、代謝に必要な栄養素は減ることがないようにしてほしいということを伝えるようにしていますが、それでも一食抜きを求める人は、いつになっても出てきます。
日本人に限らず、世界中で1日に二食だった時代があり、そのときに摂取していたのは朝食と夕食であったので、今の感覚でいう昼食を抜いていたことになります。身体のメカニズムは、その時代を引きずっていて代謝に必要なビタミンB群のうちビタミンB₁とビタミンB₂は一度摂取すれば体内で1日は保持されるものの、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は12時間ほどしか保持されません。これは朝食と夕食を食べていたことと関係しています。ということは昼食を抜いても、朝食と夕食は抜いてはいけないということです。
ところが、忙しさのためかダイエットを目的としたためなのか、朝食を抜く人がかなりいます。これでは代謝のための栄養素が不足して、食べる量が減った割には、なかなかやせないということになります。
この話を理解して、三食を食べるようにしてくれればよいのですが、どうしても一食抜きを考える人はいて、夕食を抜いてしまう人もいます。朝食を抜くと空腹を感じる時間が長くなり、エネルギー不足からふらついたり頭が回らなくなることもあり、これを耐えるのがつらい、ダイエットがつらいということになるのですが、夕食抜きだと寝ていれば空腹を感じることもないので、夕食抜きを考えがちです。
朝食抜きだと空腹時間は17時間にもなり、脳にブドウ糖を充分に保持しておける15時間を超えてしまうので、2時間は脳のエネルギー不足が起こるようになります。夕食抜きの場合には18〜19時間も空腹時間ができてしまいます。これが理解できれば、朝食抜きも夕食抜きもしなくなると思うのですが、なかなか食事抜きの人を減らせないのが実情です。