中性脂肪値を減らす機能性表示食品の実力

機能性表示食品は、特定保健用食品に比べると信頼性が低いというのが業界の評価です。しかし、一般には区別がつかないようです。機能性表示食品と表示できる健康食品は、特定保健用食品のように個別の商品でヒト試験を行う必要はなく、有効性が認められたという資料を示して登録すればよいので、手にしている健康食品が示されたデータと同じであるという保証があるのかというと、疑問があります。しかし、成分としては同じものが使われているので、同じ結果が得られるという期待を抱いて、使っている人、もしくは使おうとしている人がほとんどのはずです。
機能性表示食品の問題点として、よくあげられるのは病気と診断されるレベルの人で試験されたデータは認められないということです。機能性表示食品だけでなく、すべての健康食品は病気を治す薬ではないので、病気の人が使うものではないという前提に立っています。薬のように治療効果があるということを健康食品に表示・表現すると、これは法律(医薬品医療機器法)違反となり、処罰される制度となっています。
中性脂肪値が減少するというデータを機能性表示食品の登録のために出すときには、中性脂肪値が正常範囲にある人で試験をしたデータでなければなりません。正常範囲といっても、数値が低い人を対象にしたのでは好結果は出にくいので、正常範囲の上の範囲の人が試験対象とされています。機能性表示食品を使う人が、正常範囲の人であったら、これでもよいのかもしれないのですが、正常範囲を超えて高中性脂肪血症と診断される状態の人も、病院に行くのはいやだから、薬を使うのはいやだからと機能性表示食品を選んでいます。これは当然の感覚だと考えられます。
これでは消費者のためにはならないと、機能性表示食品を所管している消費者庁にアプローチしている会社もあるのですが、前提は前提なので、いかに中性脂肪値を改善する能力に優れているデータを示しても受け付けてもらえないという結果です。この事実を示して、機能性表示食品でないので有効性が劣っているということではなくて、むしろ優れたものがあることをセミナーなどで紹介しています。その場で必ず聞かれるのは、例に示したのは、どんな健康食品なのかということですが、それはシクロデキストリン(環状オリゴ糖)のα型で、1gで9gの飽和脂肪酸を吸着する効果が認められています。
シクロデキストリンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。