人の振り見て我が“歩き”直せ

“技術は教えてもらうのではなく盗むもの”ということは昔から言われていることで、このことは技術的なことだけではなく、態度においても同じように言われます。これを諺(ことわざ)的に言うなら、「人の振り見て我が振り直せ」が該当します。健康に関することは教えてくれる“先生”からの情報がすべて正しいとは限りません。中には思い込みや勘違いということもあって、こんなことを信じて実践したら大変なことになると思うことも多々あります。こんなことを批判するのは簡単なことですが、批判だけでは何も生み出さないので、ひょっとしたら間違い情報を伝えていることになるのを踏まえて、そうはならないようにすることを肝に命じて情報収集と情報発信に努めています。
これが正解といえることがないものについては、間違いが間違いのまま広まることもあります。自分では正しく歩いているつもりでも、周りから見ると身体がゆがんでいる、身体が横に揺れている、左右の脚の運びが違う、そもそも姿勢がよくないということもあります。これまでだったら、歩いている人を前から横から後ろから見て、チェックして、アドバイスをして、徐々に正しい歩き方にしてもらうということをしていました。口で説明して、身振り手振りで示しても、わかりにくいこともあります。
今ではスマホで動画も撮れるので、指導前と指導後を比べてみる、正しい歩き方をしているであろう“先生”の動画と比べるということもしてもらっています。自分と先生だけでなく、他の方々の歩き方と比べるのも、まさに「人の振り見て我が振り直せ」となるので、ウォーキング教室やウォーキングイベントは参加して楽しかった、健康づくりに役立ちそうだと満足するのではなくて、正しい歩き方で正しく健康づくりをすることを目指してほしいのです。そのことを周りの人に伝えて「みんなで歩いて健康になろう」、もっと考えるなら「歩いて自治体の医療費を抑制しよう」くらいの意気込みで歩く機会を増やしてほしいのです。