低血圧は心配しなくても大丈夫なのか

心臓弁膜症の中でも僧帽弁閉鎖不全症になると、心臓の左心房に一部逆流するようになって左心室から送り出される血液の勢いが弱くなります。血管にかかる圧力が弱まるので、血圧が下がることがあるのではないかと思われがちですが、僧帽弁閉鎖不全症によって血液の勢いが弱まっても、通常なら血圧を高めて全身に勢いよく血液が流れるようにする仕組みになっています。
ところが、僧帽弁閉鎖不全症によって血流が低下しても、自律神経の調整が乱れて血圧が高まらない人もいます。自律神経は興奮系の交感神経と抑制系の副交感神経が拮抗して働いていて、血圧の場合には血圧が高まりすぎた場合には副交感神経が働いて血圧を下げるように作用して、血圧が下がりすぎた場合には交感神経が働いて血圧を上げるように作用します。
副交感神経の働きが過剰になって血圧が下がりすぎても、慌てて治療をすることはないと一般には言われています。高血圧は動脈硬化のリスクを高め、心疾患や脳血管疾患の危険性が高まっていきます。心疾患の場合には狭心症や心筋梗塞などが起こり、脳血管疾患の場合には脳梗塞や一過性脳虚血発作、脳出血などが起こります。これに対して低血圧は、めまいやふらつき、失神などが起こりやすくなるものの、血管への負担が減ることから血管の病気の心配はないことから特に問題はないと放置されることもあります。
しかし、僧帽弁閉鎖不全症によって血流が低下しているのに、自律神経の調整が乱れて血圧調整ができなくなると、身体の隅々まで血液を充分に送ることができなくなるために、血管の末梢の血液が不足して、さまざまな臓器が徐々に影響を受けることになります。特に影響が出やすいのが、多くのエネルギー量を使う脳細胞で、脳は全身の2%の重量なのに20%ものエネルギーを使っています。そのエネルギーを作り出すためには、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖を血管を通じて送る必要があり、エネルギー化に欠かせない酸素も充分に送る必要があります。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、この典型的な例となっていて、自律神経の乱れを起こす原因の中で、ストレス、生活リズムの乱れ、ホルモン分泌、神経質な性格、脳の疾患、電磁波などの、どれが該当するのか研究を、身をもって進めているところです。