体組成計で体内年齢は正確にわかるのか

健康食品のテレビコマーシャルで、身体の若さを測定するために体組成計を使っているシーンがあり、実年齢よりも20歳も若いということを示して、その地域で食べているものの優良性を強調する内容となっていました。これを見ていた健康雑誌の編集者から体組成計についての問い合わせがありました。体組成計で本当に体内年齢がわかるのかという質問かと思っていたら、「一番よい結果が出るのは、どこの会社のものですか」という変わった内容。何に使うつもりかと聞いたところ、「ある健康食品の効果を示すために、できるだけ若く表示されるものを知りたい」という営業のための記事広告に使うための情報提供を求められました。
どんな人に乗ってもらうのかによって異なってくるので、それについて商品の特性に合わせて返答したのですが、そのときに情報発信した各社の装置の違いについて、ここで紹介させてもらいます。つまり、体組成計の体内年齢は装置の特性によって異なってくるということで、若く表示されたからといって安心してよいのか、という提示をしたいということです。編集者には4社の違いを示しましたが、ここでは代表2社のものに絞りました。
体脂肪計を初めて発売したタニタは体組成計でも信頼度が高いものがあります。体脂肪という言葉もタニタが初めて使いました。タニタは体内年齢という言葉を使っています。基礎代謝が年齢によって低下していくので、その傾向をデータ化するとともに体組成の年齢傾向も加味して、体組成から年齢を割り出しています。基礎代謝は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」の基礎代謝基準値から割り出されています。タニタの体組成計は筋肉量が多くて、基礎代謝が高いほど体内年齢は低く表示されます。日本メディカルダイエット支援機構の理事長は現在63歳ですが、タニタの体組成計での体内年齢は42歳です。以前は46歳だったのですが、筋トレ効果もあるインターバルウォーキングを1週間続けただけで4歳若返りました。当たり前の結果なので、あまり喜んではいないようです。
オムロンの体組成計では体年齢となっています。体重、体脂肪率、骨格筋率などから基礎代謝を計算して、年齢を算出しています。全体の筋肉量だけでなく、両腕、体幹、両脚の筋肉量も測定して算定に使っています。より筋肉量が影響するので、筋トレ効果のある歩き方ではなく、筋トレそのものをすることで各部位の筋肉をつけることによって体年齢を若く表示させることができます。