体脂肪を減らす食事、運動、入浴の組み合わせ

食事、運動、休養の組み合わせによって体脂肪を効果的に減らす方法と、筋肉を効果的に増やす方法をメディカルダイエットとして提供しているということを書いたところ、詳しく紹介してほしいというメッセージが複数ありました。今回は体脂肪を減らすほうの組み合わせを紹介します。
夕食前の空腹時に筋肉運動をすると、血液中のブドウ糖が不足することから筋肉の中に蓄積されているグリコーゲンが分解されて、ブドウ糖となって血液中に放出されます。そのあとに食事をすると、摂取したブドウ糖のうち肝臓で合成されるグリコーゲンの量が増えて、筋肉に蓄積されるグリコーゲンが増えていきます。この働きによって、血糖値が下がり、膵臓から分泌されるインスリンの量が減り、肝臓で合成される脂肪酸を減らすことになり、脂肪細胞の中に蓄積される中性脂肪を減らすことができます。
夕食後に運動をすると、血液中に多くなったブドウ糖が運動によって消費されることから血糖値が下がり、インスリンの分泌量が減り、脂肪合成を減らすことができます。ブドウ糖は有酸素運動によって消費されやすいので、ウォーキングでも効果が得られます。ブドウ糖の燃焼が盛んになるのは歩き始めてから10〜15分なので、あまり長く歩くことはありません。
夕方は自律神経の副交感神経の働きが盛んになり、胃液の分泌量が増え、膵臓のインスリン分泌量も増えます。この時間帯に食事をすることで、肝臓での脂肪の合成と蓄積が進みやすくなっています。交感神経には、これとは逆の働きがあり、42℃以上の熱めの温度のお湯で入浴すると自律神経は副交感神経から交感神経に切り替わり、心身ともに興奮状態になります。それによって胃液が減り、インスリンの分泌量が減ることによって、脂肪合成が減るようになります。
熱めの温度では身体を休めてリラックス状態になることができなくなりますが、初めは38〜40℃の低めの温度で入浴して副交感神経の働きを盛んにして、身体を充分に温めたあとに熱めの温度に切り替えるようにします。追い炊きができない浴槽の場合には、熱めのシャワーを浴びて交感神経に切り替える方法もあります。
運動をして体温が高まると、筋肉の中にある脂肪分解酵素のリパーゼが活性化して、中性脂肪の分解が進み、筋肉に送られる脂肪酸が増えて、燃焼が進みやすくなります。運動を始めてから10〜15分間はブドウ糖が優先的に燃焼して、脂肪酸が盛んに燃焼するのは、この時間が過ぎてからです。その理由は、運動を始めてからリパーゼが活性化するまでに、この10〜15分がかかるからです。
運動後にも筋肉が温まっている間はリパーゼの活性は続いていて、中性脂肪の分解も続き、燃焼も徐々に低下しながらも続いています。その時間は30分間ほどにも及びます。この時間は身体を動かしていないのに脂肪酸が燃焼する大切な時間です。この時間に入浴をすると筋肉が温まりすぎてリパーゼの活性が止まります。シャワーは熱めの温度であっても筋肉の中までは温まらないので、運動後にはシャワーだけにして、30分してから入浴するようにします。