体質に合わない健康食品は害になるのか

体質に合わない薬はクスリではなくリスク、という話を載せたところ、すぐに雑誌記者から反応がありました、もっと突っ込んだ話を聞きたいのかと思ったら、体質に合わない健康食品のことでした。これは、また健康食品の悪口を書くつもりかとも思いましたが、健康のためと思って摂っている健康食品が効かないだけでなく、逆に健康にマイナスになることがあるという事実を伝えて、正しい使い方をしてほしいとの思いから返答させてもらいました。
東洋医学の体質は複数の分類法があるのですが、基本中の基本は身体が強いか弱いか、体内の水分が多いか少ないか、身体が温かいか冷えるかの3分類です。初めの虚実も次の乾湿も、すぐには変化をするものではないのですが、冷えについては食べ物だけでも変化するので、健康食品でも起こりやすいと言えます。
身体が温まるほうは、全体的に冷えやすい国民にとっては、より温める性質のものを摂ればよいことになるので、それほど気を使わなくてもよいかと思われます。冷える体質の人が冷えるものを摂ったらマイナスが重なって、体調不良の原因にもなります。どんなにビタミンとミネラルが豊富で、抗酸化成分が含まれ、さらに機能性成分が含まれていても、身体を冷やすものは摂りたくないものです。
基本的には春と夏に実るものは冷やし、秋に実るものは温める性質があります。土の中で育つものは温め、土から出ているものは冷やします。この分類からいくと青汁は身体を冷やします。
青汁は温めて飲めば大丈夫との見解をホームページに出している会社もありますが、温と冷の中間にある食品は温めると温になります。これは温めてくれるということではなく、冷やさないという程度の変化です。青汁を温めても中間の性質にもなりません。青汁は身体を冷やすものであるということを意識して、他に身体を温める根のもの(生姜、ごぼうなど)や保温効果があるカプサイシンを含む唐辛子などを合わせて摂るようにすべきです。そして、他に身体を冷やす葉物の生野菜、水分が多いフルーツなどは減らすということも心がけます。
日本人の身体が冷えやすいのは、脂質の代謝に必要なL‐カルニチンが不足していることから脂肪をエネルギーに変える力が弱く、そのエネルギーが体熱になりにくいからです。L‐カルニチンを摂ることも冷えすぎる人には必要です。L‐カルニチンについては、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。