個人の質問なのに全員に向けて説明をする理由

講習会やセミナーで質問を受けたときに、質問者個人に返答をして理解してもらうようにするのは当然のことですが、日本メディカルダイエット支援機構では、できるだけ多くの方に役立つような返答にさせてもらっています。そのやり方に対して、「自分の質問に答えてくれていない」と立腹されたことがあります。私たちとしては、しっかりと疑問点を解決する返答をした後に、これと関連して参加者全員に(とまではいかないものの)役立つ話を付け加えさせてもらっています。その話は、質問をした人にも役立つ内容にしているのに、自分が聞いたことと違う話をしていると思ってしまうのか、立腹させることもあるということです。
質問者の中には、自分の質問の背景を長々と話す人もいます。自分のことがわかってもらえないと質問の意味がわかってもらえないと考えているようです。それはありがたい心配りと思うようにはしていますが、会場にいる方には、そうは思わない人もいます。会場内がざわついてきたら、遮断まではいかなくても、「こういう主旨の質問ですね」と聞いて、できるだけ早めに展開できるようにします。これまでで一番困ったのは「自分の出身地は……」と話し始めたので、出身地の気候や生活習慣などが健康に関わっているのかと思ったら、どこの学校に行き、仕事は何をしてきて、今は……と続き、これはちょっと違うなと思ったのですが、私が遮る前に、司会者が気づいたようで、「それで何を質問されるのですか」と言ってくれたので、うまくいったこともあります。
質問コーナーでは、通訳が必要なこともあります。東北で、本当に通訳がいないと何を質問されたかわからないことがあって、司会者に「他の方に質問の意図がわかるように説明してもらえますか」と切り出して、標準語(というよりも方言交じりでしたが)で初めて質問の内容を知ったこともあります。通訳と言っても、こういった例ではなくて、私たちが質問の意味を周囲の方にもわかるように通訳して、質問の意図を伝えてから返答をすることもあります。本人はわかっていても、伝え方が不十分ということもあるからです。