健康づくりの「すもうあしこし」

島根県の宍道湖は汽水湖で、ここで獲れる代表的な魚介類は“宍道湖七珍”と呼ばれています。それはすずき、もろげえび、うなぎ、あまさぎ、しらうお、こい、しじみの7種類で、あまさぎはわかさぎのことです。これらの頭の文字をとって「すもうあしこし」と覚えるようにしています。宍道湖のある県庁所在地の松江には相撲にまつわる場所があるのかと地元の人に聞いたところ、島根県は相撲発祥の地だと伝えられているとのこと。
今の大相撲が島根県で始まったのかと思っていたら、『古事記』の中の国譲り神話に出てくる武甕雷(たけみかづち)と建御名方(たけみなかた)の話でした。出雲の国譲りを大国主(おおくにぬし)に武甕雷が迫ったとき、大国主の子の建御名方が異を唱えて、稲佐の浜で力競(ちからくらべ)を挑んだとされます。これが相撲の始まりということで、私たちの想像とは違っていました。
今でも土俵を有する神社は数多くあり、ここで相撲をとるわけではなくて、神様と相撲をとるという神事が行われています。
魚を食べることは健康によいという理屈なら、健康づくりの「すもうあしこし」でよいということになりますが、日本メディカルダイエット支援機構では、それぞれの地域の特徴的な食品を組み合わせた健康づくりメニューができないかと考えています。その初めの地域は相撲にも足腰でも関係するところであってほしいと探していたら、岡山県の和気町はピッタリの地域でした。和気町の名は平安時代の貴族の和気清麻呂公の支配地に由来していて、道鏡事件から天皇家を救ったことが有名な出来事です。それもあって東京の皇居には天皇家を救った二大著名人として楠木正成公と和気清麻呂公の銅像が設けられています。
和気清麻呂公が宇佐八幡宮の御神託を受けるために拝礼に行ったときに、これを猪が助けたことから和気清麻呂公が祭神の和気神社は、狛犬ではなく猪が狛亥となっています。御利益も足腰健康で、日本メディカルダイエット支援機構の理事長は足腰守りを身につけて、ウォーキングを行っています。足腰のほうはよいとして、相撲は神社に土俵はないのですが、町立体育館に相撲道場がありました。
和気町の「すもうあしこし」は健康づくりに役立つ山、里、川(岡山県三大河川の一つの吉井川)の幸が揃っていて、すもも、もくずがに、うなぎ、あゆ、しろねぎ、こめ(朝日米)があり、これに是非とも加えてほしいと願っているのが「しし肉」、つまり猪の肉です。