健康のための食品は健康なのか

食品には三大栄養素(エネルギー源)の糖質、脂質、たんぱく質が含まれていて、これらのほかにビタミン、ミネラルが含まれています。これで五大栄養素となり、6番目の食物繊維は食品によって含有量が大きく異なっています。健康になるための食品といえば、体内で必要となる栄養素が多く含まれているものとなり、どれくらいの栄養素が含まれているのかについては、日本食品標準成分表を見ればわかります。これは平均的な数字ですが、例えば肉類なら飼育されているものなら大きく変わることはありません。しかし、野生の動物となると環境と餌として食べていたものによって大きく異なってきます。
その例としてあげられるのは猪肉です。猪(いのしし)は豚の祖先で、猪肉はおいしくても、なかなか捕獲できないので豚が育てられたという経緯があります。野生の猪でも山奥で暮らしているものは食糧事情が豊かでないことから、あまりおいしくないと言われています。それに対して住民居住地に近いところで農作物などを荒らしている猪は、おいしいものを食べているだけに、肉質もよくなって、これがおいしさにつながっています。
過酷な環境の中で暮らしていると猪の肉質は低下してくるものですが、栄養豊富な農作物を食べて、適度に運動をしている猪の肉質は優れています。そこで獣害をもたらしている猪を捕獲して、これを材料にして野性味あふれる料理としているのが今どきのジビエ料理です。
ジビエ料理を食べてみると、ただ肉を食べれば健康になれるというのではなくて、ストレスが少ない環境で、健康的な食生活で、適度な運動して育ったものは、おいしさとともにエネルギーの高さも感じます。ここでいうエネルギーというのは、三大エネルギー源が多いということではなくて、三大エネルギー源を身体を動かすことによってエネルギーを多く作り出し、そのエネルギーによって全身の細胞を活性化させたものを指しています。
獣害被害を嘆くのではなく、捕獲したエネルギー豊富な猪肉を食べて、健康づくりに役立てることを考えているのですが、日本メディカルダイエット支援機構が健康づくりに注力する岡山県和気町では猪は獣害の主であるとともに、神様の使いでもあることから食肉としての活用については、それなりのアイディアが必要なところでもあります。