健康食品でダブルの効果が得られるのか

サプリメントと健康食品の区別については以前に紹介させてもらいました。いくつかポイントがありますが、生命維持に必要なものであって他に代わりとなるものがないビタミン、ミネラル、三大ヒトケミカルはサプリメントであって、他に代わりとなる成分があるものは健康食品というのが基本的な分類法です。
その健康食品は同じ機能のものが複数あるわけですが、その中でも有効性が高いものほど問題点が大きくなることがあります。脂肪を吸着して、体内に吸収される脂肪の量を減らすために使われるものとしてキチン・キトサンがあります。これはカニやエビの甲羅や殻に含まれる動物性の食物繊維で、脂肪を吸着して大きな塊にすることによって小腸から吸収されないようにする働きがあります。吸収量が減ることで、太りにくくなります。
今は特定保健用食品の中でも糖と脂肪の両方の吸収を減らすものが人気になっています。それもあって、健康食品では糖の吸収を阻害する機能の素材と、脂肪の吸収を阻害する機能の素材が組み合わされたものが人気になっています。これを摂れば糖と脂肪が含まれた食品を食べても安心ということを言っているわけです。糖の吸収を阻害するものとしては糖がブドウ糖に分解されるのを阻害するサラシアや桑の葉があり、これとキチン・キトサンが配合されたものは、話が違ってきます。
キチン・キトサンは脂肪を吸着するだけでなく、他の成分も吸着します。吸着されたら胃腸では機能を発揮しなくなるので、キチン・キトサンだけの効果となってしまいます。吸収阻害の健康食品の中には食事の前に摂らなければ効果が得られないものもありますが、キチン・キトサンは脂肪が多く含まれる食事をした後でも間に合います。というのは、脂肪は完全に分解されるまで6時間ほどかかる特徴があるからです。ちなみに、たんぱく質は4時間ほど、糖質は2時間ほどとなっています。