健康食品にも飲み合わせがある

健康食品・サプリメントは、素材同士の組み合わせによって、有効性が高まることがあれば、逆に危険となる場合もあります。このようなことが起こるようになったのは、サプリメントの研究が大きく進んだことと関係しています。以前には、サプリメント素材を多めに摂っても医薬品と一緒に摂ったからといって「医薬品と医薬品」の組み合わせによる副作用のような組み合わせによる健康被害は起こりにくかったのですが、サプリメントの研究と加工が急激に進歩して、機能性の面では医薬品に大きく近づいたことから、医薬品同士の副作用と同じような“相互作用”が起こるようになりました。つまり、「サプリメント×医薬品」の相互作用が起こることが確認されたということです。
サプリメント素材と医薬品成分の相互作用については、アメリカにおいて研究が大きく進み、「NaturalMedicine DataBase」(ナチュラルメディシン・データベース)がアメリカ健康研究所(NIH:National Institutes of Health)の委託事業によって発表され、英語圏の保険機関、医療機関、健康保険機関などによって活用されています。世界版のデータベースには1600種類以上のサプリメント素材の説明と医薬品との相互作用などが掲載され、日本対応版は1200種類以上が掲載されています。
サプリメント素材と医薬品の相互作用(飲み合わせ)で最も有名なものはイチョウ葉エキスとアスリピンの組み合わせです。イチョウ葉エキスはドイツを初めとした各国で医薬品(認知症予防・改善など)として用いられていますが、血管の血小板を剥がすことで血管の中で大きな血栓が作られ、血栓によって血管が詰まって動脈硬化が発症するのを抑える作用があります。これによる血流の促進が認知症予防・改善につながると考えられています。
アスピリンは、いわゆる血液サラサラの医薬品で、サプリメントでは対応できなかった人に対して使われています。この両方、イチョウ葉エキスとアスピリンを同時に使うと、血小板を剥がしすぎることになり、腕や足の血管が浮き上がるようになります。これは両方の作用は重なって出血した結果です。これは腕や足だけでなく、全身の血管でも起こることです。