健康食品の法規制40 効果があれば売れるとは限らない

健康食品の販売傾向の推移を見ていくと、新たな素材を使ったものが注目され、販売数も増えやすい傾向があります。新商品の販売実績のデータを見ても、同様の傾向があり、従来の商品ではなく、新たな商品、新たな素材を使った商品、有効性が言われている素材を使った商品、そして機能性表示食品が売れ筋商品となっています。

効能効果を期待させるような表示をしていて、実際には期待したような結果が得られなかった人には、同じ素材を使った健康食品は訴求力が落ちるところがあります。

店舗で販売される商品の場合には、既存の商品に対して同じ素材を使った商品が持ち込まれたときには販売しにくいということがあり、採用されにくいのは当然のことです。

店舗での販売でも通信販売でも、購入する人は自分の目的に沿った効能効果が期待されるものを選びます。健康食品のパッケージにも広告にも店頭の表示でも、医薬品的な効能効果を述べることは規制されているものの、従来から効能効果が知られてきた素材を使った商品と並べられて販売されていれば、それと同様の効果があることは容易に想像がつきます。

その中でも、新たな素材が使われた商品は注目度が高くなっています。人気の素材もあって、それを従来の素材に加えたものがありますが、その素材が配合量のトップでもなく、商品としての一押し素材でもなく、ただ加えただけということも実際には見られます。

バラエキスが女性に人気になったときに、ニオイ消し効果もあることから腸内環境を整えることを目的とした商品に使われていたのはわからないでもなかったのですが、なぜか膝関節への効果が目的とされた商品に使われていたときには強い違和感を感じました。

効果があることが知られている素材を使っていても、長く販売されてきたものは、どうしても販売の勢いが落ちてしまいがちです。そこで効果がある素材に、その効果を高めることが期待される新たな素材を加えるというのが、よくある方法といえます。
〔健康情報流通コンサルタント 小林正人〕