免疫が高ければ嗽は必要ないのか

嗽という漢字は「うがい」と読みます。うがいは手洗いと並んで感染防止の重要項目です。テレビコマーシャルでも「うがい、手洗い、○○」というように、自分のところで提供しているものを三番目にあげて、感染症に効果があることを匂わせるという手段に使われています。
新型コロナウイルスの感染が拡大している段階で、その対応策として「うがい、手洗い」が叫ばれていました。新型コロナウイルスは通常のインフルエンザとは異なると言いながらも、対応策は一緒であるということで、メッセージは「うがい、手洗い」でした。ところが、今は「うがい」が言われなくなり、「手洗い、マスク」が中心のメッセージになりました。マスクが強調されるのは、いわゆるアベノマスクが全世帯に提供され、さらに追加で提供しようということになってから、メディアでも「うがい、手洗い」ではなく「手洗い、マスク」と変化しました。
テレビでも「うがい」が外れて「手洗い」となり、追加配布の報道から急に「マスク」が加わったことに穿った考え方をする人も増えてきました。アベノマスクの追加配布はなくなりましたが、うがいをするのは新型コロナウイルスの検査が喉からウイルスを検出することから、うがいをするとウイルスが洗い流されて、それで予防効果が高まるのではないかと、その効果への期待は高いものがあります。
うがいをすすめないことによって、喉のウイルスが洗い流されないようにして、検査で発見されるようにするために、わざわざ「うがい」を外したのかもしれないと考える向きを外しての考え方になりますが、これはウイルスを無理に流すのではなくて、ウイルスが洗い流されずに定着していることで抗体が作られて、免疫を高めるための新たな対策ではないか、というのは考えすぎでしょうか。
免疫は、外敵と戦うことによって強化されていきます。これによって免疫を強化することを重視すると、うがいは必要ないのか、わざわざメッセージから外したのではないか、と考えるようにしたいとは思うのですが、どうしても違和感が残ってしまいます。ポビドンヨードでのうがいは口腔内の新型コロナウイルスを減らして、感染の防止効果があるという発表を大阪府が行い、うがいの有効性が再び注目されるようになったのはよい出来事といえます。