免疫が高まるまで集まっての講習はできないのか

集団免疫は感染症に対抗する大きな力となることが期待されていて、国民の多くが感染して、体内にウイルスと対抗する抗体ができることによって、国民的に感染することはないというのは歴史を振り返ってみても有効とされる対抗法でした。ところが、新型コロナウイルスは、その期待をあっさりと裏切り、ほとんどの世界の国々が集団免疫による対抗を諦めました。
となると、ウイルスに対抗できるだけの力を各人が身につけるのが最良の方法ということになり、免疫強化につれて、新型コロナウイルス感染が収束していくのを待つという消極的な方法を選択するしかありません。もちろん、開発中のワクチンが完成すれば、徐々に恐れる病気でなくなっていくことが期待されるところですが、ウイルスには変異をするという特徴があり、中でも新型コロナウイルスは変異が激しくて、せっかく期間と金額をかけて開発したワクチンがまったく効かないという可能性が大きいのが困ったところです。
新型コロナウイルスに打ち克つ方法、免疫を高める方法を多くの人に伝えようとして、通信メディアを活用して情報発信をするのは必要なことではあるものの、特に伝えなければならない高齢者は通信メディアに疎いところがあります。私たちがテレビ電話式やリモート会議式に情報発信する手段を整えても、受け手となる人に通信メディアがないのでは、テレビを持っていない人にテレビ番組を通じて呼びかけているのと同じ状態になってしまいます。
特に伝えたい対象者は高齢者や生活習慣病の基礎疾患がある人ですが、集まってもらって話をするということも、感染リスクが高い集団でのセミナー、講習会は積極的には開催しにくい状況です。免疫を高めてウイルス感染に打ち克つ方法を伝えたいのに、それができないために免疫が低下して、感染しやすくなるという悪循環の堂々巡りのようなことはしたくはないのですが、今の段階では国民的に免疫が高まって、高齢者も基礎疾患がある人も安心という状況にならないと難しいことです。