免疫を高めるヒトケミカル

ヒトケミカルはR‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の3種類です。R‐αリポ酸が天然型のα‐リポ酸を指しています。ヒトケミカルは全身の細胞の中にあるミトコンドリアで使われる代謝促進成分です。全身には60兆個の細胞があると言われていますが、この中には身体を構成する細胞だけでなく、全身を流れている血球も含まれています。血球には赤血球と白血球もあり、細胞の中でヒトケミカルが使われているということですが、赤血球は作られたときにはミトコンドリアがあったのですが、酸素を結合して運ぶ役割を得るためにミトコンドリアが失われます。というのは、ミトコンドリアは酸素を使って、ブドウ糖と脂肪酸をエネルギー化する器官なので、ミトコンドリアがあると酸素が失われてしまうからです。
免疫細胞である白血球は、外敵と戦うために多くのエネルギーを必要としているので、そのエネルギーを作り出すミトコンドリアは絶対に必要です。ミトコンドリアにブドウ糖を取り込んで、ミトコンドリア内で代謝を盛んにするために使われているのがR‐αリポ酸です。L‐カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアの膜を通過させるために必要な成分です。そして、コエンザイムQ10はミトコンドリア内でエネルギーを発生させるTCA回路を働かせる酵素を補う補酵素の役割をしています。酵素は補酵素があることによって、本来の酵素の働きをすることができます。
このうち、どのヒトケミカルが免疫を高めるのかが試験によって確認されました。それによると白血球の働きを高めて、免疫力を向上させるのはコエンザイムQ10を補ったときでした。
では、コエンザイムQ10をサプリメントとして補えば免疫が高まるのかというと、何を選ぶかによって結果は異なります。通常のコエンザイムQ10の吸収率は1%ほどでしかありません。これに対してシクロデキストリン(環状オリゴ糖)で包接したコエンザイムQ10は吸収率が10倍以上になり、18倍という研究成果も得られています。免疫を高めるために摂るなら、包接型のコエンザイムQ10を選ばないといけないということです。
コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。