前傾姿勢と前屈みの歩行の違い

勢いよく、効率よく歩くために、日本メディカルダイエット支援機構では“前傾姿勢”での歩行をすすめています。これはテレビ番組の中で紹介してくれたことがあったもので、写真を示し、実際に歩いて見せて、これをスマホで映像撮影してもらったのですが、実際に番組で紹介されたときには、“前傾姿勢”ではなくて“前屈み”になっていました。同じように前に体重をかけて歩いているのに、見た目が随分と違っていました。パッと見の印象では若者と高齢者ほど違っていました。
正しい歩行姿勢を示すときに、わざと高齢者の歩き方をやってみせて、「若いうちは、こんな歩き方をしないで」と言うようにしています。40代くらいの方でも、それを見て、急に姿勢を正して美しい歩き姿になることもあります。それほど老けて見える姿勢ということですが、直立姿勢から腹筋の力を抜いて、背中を丸めて、肩を少し落とします。すると首が前に傾いて、首の骨まで曲がって見えるようになります。この姿勢では、上半身だけでなく下半身にも力が入りにくくなり、歩幅が広くならずに、トボトボと歩いているイメージになります。
これを改善するためには、まずは腹筋に力を入れて、背筋にも力を入れる感じにして上体を上に少し伸ばします。少し胸を張るようにして、顎を引きます。これだと身体は一直線になるのですが、このまま片足を前に出すと、イギリスの兵隊さん(バッキンガム宮殿の衛兵)のような軍隊の行進式の歩き方になってしまいます。そこで直立姿勢から身体を前に傾けていって、このままでは倒れるというタイミングで片足を前に出すと前傾姿勢になります。この姿勢を保つようにして、片足ずつ前に出すということをします。
この前に倒れる勢いを利用して歩くと、腹筋と背筋で内臓を押さえた状態で、首が前に曲がることもなくなり、歩幅も広がります。これが私たちのすすめている前傾姿勢で、上半身を傾けるというよりも、後ろ側の脚の角度が上体からまっすぐになっていることを意識して歩くようにします。これによって一歩ずつ足を大きく前に出して、力強く歩くことができるようになります。