副作用のないサプリメントとは

サプリメントは食品です。だから、「いつでも、好きなだけ摂ってもよい」ということを表示している販売会社もありますが、これは、ほとんどの場合、間違いです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では上限値も定められています。もともとは不足しないように推奨量を知るために活用されるものですが、多く摂りすぎると健康被害が出ることもあります。過剰摂取が懸念される脂溶性ビタミンの場合には推奨量の2倍程度までに抑えるようにされているものもあります。
これに限らず、多くの量を摂れば摂るほど有効性が高まるプラス面だけというわけではなく、かえって健康被害などマイナス面が出ることも当然のように起こることです。中には医薬品との相互作用が起こりやすい栄養素もあり、多く摂るほど相互作用が高まって、血管が切れる、命に関わるという危険性も高まってきます。
水溶性ビタミンなら毎日排泄されるので問題は起こりにくいようですが、多くの量を摂取することによる健康効果がメディアで紹介されてから、急に摂取量が増えたものがあり、それが気になって仕方がありません。それは葉酸です。葉酸が不足すると細胞分裂が起こりにくくなり、貧血になりやすいということで1日に240μgの摂取が推奨されています。ところが、海外のデータを見ると400μgとなっています。これは葉酸の抗酸化力に注目しての摂取量で、葉酸には活性酸素を消去する作用があり、それが動脈硬化や認知症の予防につながるということで、できるだけ多くの量を摂ろうという人も増えています。
葉酸が摂れるのはよいことであっても、葉酸が多く含まれる野菜には多くの量が体に入ってくると害となる成分も含まれています。
これに対して、過剰摂取の問題がなく、副作用も起こらないサプリメント成分があります。それはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。あえて言うとサプリメント製品に使われているα‐リポ酸には過剰摂取の健康被害が起こるものもあります。それは非天然型のα‐リポ酸であり、詳しく分類するとS体のα‐リポ酸です。S‐αリポ酸と呼ばれることがあります。
S体と対比される天然型のR体のものはR‐αリポ酸と呼ばれますが、R‐αリポ酸は体内で合成されていて、20歳をピークに年齢を重ねると徐々に減少していきます。もともと身体の中にある成分なので、多くの量になっても問題は起こりません。
このことはL‐カルニチン、コエンザイムQ10についても同じことで、R‐αリポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は三大ヒトケミカルと呼ばれています。三大ヒトケミカルは医薬品としても使われていて、これが食品としても許可されて、サプリメントに使うことが可能となりました。医薬品の成分の大半は化学合成されていますが、三大ヒトケミカルは体内で合成されているものと同じで、これほど特徴的な成分はありません。