団塊ジュニアが高齢者になる2040年問題

金融庁の報告書で、老後は年金だけでは2000万円不足するので、30年間は毎月5万円を自力で用意する“自助”が必要ということが発表されてから議論が巻き起こされています。65歳の高齢者1年生の30年後というのは95歳です。現在の男性が約81歳、女性が87歳という平均寿命が、ここまでの延びるのかというと、これは期待薄なので、95歳まで長生きした場合のことという一つの例であろうと思われます。
高齢者の割合は2040年には35.3%、2060年には38.1%になると推計されています。この2040年が年金にとっては大転換期になることが予測されています。なぜ2040年なのかというと、タイトルにあるように団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者になるからです。団塊ジュニアは団塊の世代の子供で、1971年から1974年に誕生した人を指しています。2019年には45〜48歳で、この世代が20年後には65〜68歳になります。
団塊の世代の約270万人に比べると、団塊ジュニアは約210万人と少ないように見えても、実は大変なことが予測されています。団塊の世代は団塊ジュニアという親の世代を支える大量の世代を生み出してくれましたが、団塊ジュニアの子供たちは団塊と呼べるような塊の世代とはならなかったのです。ということは、大量の団塊ジュニアを支える世代が存在しないということで、団塊ジュニアが年金支給年齢に達したときに、それをカバーする年金を納めてくれる大量の人がいないということです。
これが2040年問題で、この年には65歳以上は3920万人を超えると予測されています。日本人の総人口がピークに達したのは2008年の約1億2808万人で、2040年には約1億1092万人と予測されています。ここから高齢化率が35.3%と計算されているわけですが、これだけの高齢者を残りの世代が全部(赤ちゃんから就職前の子供まで)で支えたとしても、2人以下で1人を支える姿は想像したくもないことです。
このような状況で、「毎月5万円が足りないだけなのか」という疑問も当然のように起こってくるのですが、少なくとも高齢世帯であっても毎日1500円以上の収入が入る副業を考えておかないといけない計算になります。このような話をすると、ウォーキングの先生をして参加費を取れる方法を教えてもらえないか、というような小銭稼ぎの質問をされることが多くなっています。