国民の平均年齢は世界のトップ

日本人の平均寿命のランキングは男性も女性も世界第2位となり、ともに香港に抜かれていますが、日本の平均年齢は依然と世界第1位となっています。平均寿命が高いのは幸せを示すデータとされているのに対して、平均年齢となると反応は異なります。平均年齢が高いということは、高齢者が多いことを示しています。日本人の平均年齢は2015年には46.3歳でしたが、東京オリンピックが開催される2020年には48.0歳、大阪万博が開催される2025年には50.0歳、そして2030年には51.2歳にもなると推測されています(国立社会保障・人口問題研究所)。
平均年齢は、その年の全国民の年齢を加えて、これを人口で割って求められますが、実際の調査は全国民の誕生日を調べているわけではないので、調査対象によって誤差は出てしまいます。厚生労働省が発表している推計値では平均年齢が50歳を超えるのは2036年と、10年以上も後になっています。どちらのデータを信じるかということではなくて、少しでも早く対策を取り始めないといけないことであるので、2025年のほうを採用して対策について話をするようにしています。
2015年の世界の平均年齢を見ると、全世界の平均年齢は28.2歳です。日本の平均年齢は46.3歳で、第2位のイタリアの45.9歳とは0.4歳の差であるといっても、約1億2642万人となると5000万年分の差となっています。高齢化率が低い国なら平均年齢の差が大きいのは生産性が高いことになるのに対して、日本のように高齢化率(65歳以上人口)が27.7%にも達している超高齢社会となると平均年齢が高いのは生産性の低さにもなりかねません。
50歳は働き盛りと呼ばれているものの、実際は最前線ではなくて管理職のような頭脳労働が多くなっていく年齢です。ということは体力的にも集中力などの脳機能も低下していく年齢で、認知機能の低下を測定する軽度認知障害のテストを実施すると50歳から低下が始まり、55歳ころから軽度認知障害が発症するようにもなります。平均年齢が50歳に達する2025年は認知機能の低下への対策が必要で、認知機能が低下しても生活ができる仕組みを作っていかなければならないということです。