国産ワインと日本ワイン

国産というと国内の材料を使って、国内で作られているものを指すと一般に認識されています。しかし、ワインは国産と名乗っていても、材料となるブドウが国内産ではなくて、海外で生産されたもの(ブドウ汁)を輸入して、それを使って国内で製造していても国産ワインとなります。そういったメーカーは実は少なくて、輸入したブドウ汁を一部使って国産ブドウと混ぜて原材料としているところが多いのですが、この場合も国産ワインとなります。
これではわかりにくいというので、国産ブドウだけを使って国内で製造しているメーカーは、以前から日本ワインという名称を使って普及してきましたが、日本ワインという表示が正式に認められたのは2015年10月のことで、3年の猶予期間を経て、2018年10月31日から日本ワインという名称は国産ブドウだけを使用して国内製造したものだけが使える名称となりました。
これで安心できるのかというと、ワインの表示につきものの産地、ブドウ品種、収穫年については条件が課せられています。それは85%ルールで、産地を明記する場合には、その産地で収穫されたブドウが85%以上は使われているのが条件となります。85%ルールに従っただけなのか、それとも100%が記載された産地なのかを知りたいときには、表のラベルではなくて裏側のラベルをみると、100%の場合には自信をもって表示されています。
品種についても85%ルールなので、一つのブドウ品種が記載されていても、他の15%弱は別のブドウが使われていることもあります。これについても、自信をもって単品で勝負している場合には、それが表示されています。品種名が記載されていない日本ワインは、複数の品種のブドウが使われていることになります。収穫年についても同様で、その収穫年のブドウが85%以上なら単年の記載がされています。収穫年が記載されていない日本ワインは、収穫年が異なる複数のブドウが使われているということになります。
ブドウは品種、産地、収穫年によってポリフェノールの含有量が異なっているので、同じ飲むなら健康効果を、と考えている人には、少しは役立つ情報かと思って、紹介しました。