夕食前の甘いもののタイミングで異なる結果

「3時のおやつ」は、軽い昼食をしたときには夕食までのつなぎのエネルギー補給として有効となります。空腹のままに夕食を食べると、空腹を満たすために食べすぎになるだけでなく、吸収を高めようとして胃液が多く分泌され、消化が早まり、吸収される量が増えることにもなります。
空腹感は、胃で感じるというイメージが抱かれがちですが、主に感じているのは脳になります。脳のエネルギー源となっているのはブドウ糖だけであることから、ブドウ糖が不足すると間脳の視床下部にある摂食中枢が刺激されて空腹を感じるようになります。そのため空腹感を一時的に解消するためには砂糖が使われた甘い菓子類が有効です。
甘いものを食べてから夕食まで1時間ほどの間隔があれば、間食でのエネルギー量が特に多すぎなければ、夕食までに消費され、夕食で食べたものの吸収と代謝には影響を与えません。しかし、夕食を待つ間の空腹感が我慢できずに、夕食の30分くらい前に甘いものを食べると、夕食で摂ったものの吸収にも影響が出てきます。
ブドウ糖が多く含まれたものを食べると血糖値が急激に上昇し、それに応じて膵臓からインスリンが分泌されます。胃液とインスリンの分泌量は自律神経に左右されていて、副交感神経が盛んに働いているときには胃液とインスリンが多く分泌されます。夕方は副交感神経が盛んに働いている時間帯であるため、夕食を食べて体内にブドウ糖が入ってきたときにはインスリンの分泌量が多くなります。
甘いものを食べたことによってインスリンが多く分泌されても、空腹時に軽く口に入れたものにはブドウ糖が多くは含まれていないので、ブドウ糖を細胞に取り込ませたあとにもインスリンは充分には消費されずに残り、血液中にはインスリンが多い状態になっています。その状態で夕食を食べることによってブドウ糖が多く入ってくると、肝臓での脂肪酸合成と中性脂肪合成が盛んになり、さらに脂肪細胞への中性脂肪の取り込みも盛んになって、普通に夕食だけを食べたよりも脂肪の蓄積が多くなる結果となるのです。