夕食後のデザートと満腹感

食事の量が足りなくても、最後にデザートを食べると、満足感が得られやすい、ということは体験している人も多いはずです。これはデザートとして食べたスイーツなどに含まれるブドウ糖によって血糖値が上昇して、満腹中枢にブドウ糖が多く送られ、満腹感を得た結果です。
脳が満腹感を得ていないと、胃を膨らませるために食べてしまいがちです。デザートと満腹感についてはラグビー選手を対象に調査されていますが、これは同じような体格の選手を2グループに分けて、一方はフランス料理のフルコースの最後にケーキを出し、もう一方はデザートと同じエネルギー量のチーズを出して、どこまで食べられるかによって満腹感の差が調べられました。
その結果、チーズのグループは準備したフルコースを3セット、すべてを食べることができました。それに対して、ケーキのグループは2セット目の食事の途中で食べられなくなりました。これはケーキによって血糖値が上昇して、脳にブドウ糖が多く届けられることによって、脳が満腹だと判断して、食欲が抑制された結果です。
この研究成果から、食べすぎを減らすためには食事の量を減らして、脳が満足感を得られるように甘いものを少し食べたほうがよいということが確かめられています。
食事の量が減らせないという人は、デザートにたどり着く前に、余計な量まで食べてしまいがちです。そういった人がデザートを食べたら、エネルギー量の摂りすぎとなってしまいます。こういった場合には、食事の前にスイーツを少しだけ食べる方法がすすめられます。
夕食前に甘いものを食べるとインスリンが多く分泌されすぎるので太りやすい、ということが知られています。それは30分前に摂取した場合で、食事の直前に甘いものを食べると少し血糖値が上昇した状態から食事を始めることになります。食事をしている途中で血糖値が早く上昇するため、満腹感が早く得られるようになります。そのために食事の量を減らせるようになるという結果になるというわけです。