太陽光を浴びるだけで免疫が高まる

免疫を高めるための方法は数々あり、それなりに費用がかかる方法もあるのですが、ほとんど無料でできるのが太陽光を浴びる方法です。ほとんど無料、と書いたのは、外出するのに時間が必要で、その時間は仕事ができない、外出で靴が減る、腹が減ることがあるかもしれないので、それを補うのに金は必要ということを言い出す人が、たまにいるからです。
体内にはメラトニンというホルモンが存在しています。睡眠を促して、脳と身体を休ませる働きをしているのですが、免疫との関係も明らかになっています。体内のメラトニンが増えると免疫細胞の白血球の一つのマクロファージの働きが活発になって有害物質を取り込んで処理する貪食が進みやすくなると同時に、リンパ球のT細胞の一つのNK(ナチュラルキラー)細胞が増えて、がん細胞などへの攻撃力が高まることが報告されています。
メラトニンは、セロトニンという神経伝達物質から作られています。セロトニンが働くのは脳幹のセロトニン神経で、脳と神経全体の働きをコントロールしています。セトロニンは幸せホルモンとも呼ばれています。セロトニンは太陽光を浴びると増えていきますが、長く浴びすぎるとセロトニン神経がダメージを受けるので、5分以上、30分以下が目安とされています。浴びる時間も大切で、朝の起きがけに浴びることがすすめられます。というのは、朝日にはブルーライトが多く含まれていて、このブルーライトがセロトニンに作用するからです。
朝に目覚めたら、カーテンを開け放って、5分間だけ日光浴をするだけでよいわけですが、セロトニンの材料がなければ、せっかくの効果を得ることができません。セロトニンの材料はトリプトファンという必須アミノ酸で、体内では合成されないので食品から摂る必要があります。トリプトファンは納豆、豆腐、味噌などの大豆製品、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品のほか、卵、肉、魚、バナナ、ピーナッツなどにも含まれています。