女性に励んでもらいたい認知機能を高めるウォーキング

有酸素運動は脳に酸素を多く送り込み、血流を高めることによって脳細胞に多く取り込まれたブドウ糖をエネルギー源として使うことから、脳の認知機能の維持と向上に役立つことは知られています。有酸素運動はウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングなどがあげられていますが、認知機能の改善が強く求められるようになる高齢者には、できるだけ負荷が少なく効果が得られる運動が相応しいということで、ウォーキングがすすめられることが多くなっています。
日本メディカルダイエット支援機構では、男女の関係なくウォーキングをすすめていますが、認知症でも患者数が多いアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では男女差があり、それに応じた指導も行っています。高齢者(65歳以上)の疾病の男女差についての調査は数多くあり、それらの傾向をみると男性は女性の1.6倍も有病率が高くなっています。生活習慣病の多くは血管に影響を与えるものであるので、脳血管性認知症の有病率も男性は女性の1.9倍となっています。ところが、アルツハイマー型認知症となると女性のほうが男性よりも1.4倍も高くなっているのです。
その理由として女性が長生きであるから、ということがよく言われます。75歳以上のアルツハイマー型認知症は女性が男性の2〜3倍にもなっています。確かに高齢になるほど発症率は高くなり、認知症は85〜89歳では41.4%、90〜94歳は61.0%、95歳以上では79.8%となります(調査によって数字にバラツキあり)。しかし、90歳以上のデータをみると、アルツハイマー型認知症は男性が約40%、女性が約60%と、女性のほうが発症率は高くなっています。
こういうこともあって、高齢の女性ほど歩いてほしいと言い続けています。しかし、高齢になるとたっぷりと酸素を吸い込んで、勢いよく歩くということは難しくなっていきます。ただ歩いて歩数を稼ぐのではなく、有酸素運動となる歩き方をしないといけないので、筋力、体力が落ちてきたら、ポールを用いたウォーキング、いわゆるノルディックスタイルのウォーキングであるノルディックウォーキング、ポールウォーキング、ノルディック・ウォークをすすめています。