女性の長寿1位と2位の生活習慣の違い

岡山県の女性の平均寿命(平成27年データ)は87.673歳と第2位で、トップの長野県の87.675歳に肉薄しています。以前は下二桁までしか発表されていなかったのですが、岡山県の女性の平均寿命が、あまりにも激しく追い上げてきたために、下二桁だけでは同じになってしまうことから、初めて下三桁までが発表されました。2県の差の0.002歳というと1年365日で割ると1日分の差にもなりません。計算上は18時間差となります。
日本メディカルダイエット支援機構の理事長が東京から岡山に移住したのは今(2018年2月)から9か月前のことですが、健康事業で関わる岡山県の関係者などは「岡山県の女性の平均寿命はほぼ日本一」と言い出しています。
岡山県の女性は、さぞかし運動をして、食事の内容も理想的になっているのだろう、運動と食事は長野県と岡山県で変わりはないのでは、との話も出たことがありますが、1日の歩行数を見ると岡山県の女性は6042歩と41位で、下から6番目となっています。本来なら41位は下から7番目なのですが、この年のデータには地震の被害があった熊本県が入っていないために、46都道府県での結果となっています。
これに対して岡山県の男性は7位の8136歩で、男女差は2094歩となっています。この差は日本一大きな開きとなっていて、岡山県の女性は男性に比べると歩いていないことになります。歩数は健康度合いを測定する重要な指標になっているので、岡山県の女性の歩数を示されたら、普通なら短命なほうだと判断してしまうような結果となっています。
食事の面では、野菜の摂取量が多いほど健康度が高く、食塩の摂取量が多いほど健康度が低いという印象があります。岡山県の女性の野菜摂取量のランキングは37位で、長寿日本一の長野県は野菜摂取量も1位となっています。ちなみに男性の平均寿命1位も長野県で、野菜摂取量も1位となっています。長寿には野菜の摂取は必要だという証拠の一つとされています。
岡山県の女性の食塩摂取量のランキングは43位で、かなり少なくなっています。食塩が多くなると高血圧となり、動脈硬化の要因となるので、食塩を減らすことが健康維持にはよいことになるのですが、食塩を最も摂っているのは意外なことに長野県の女性です。男性は3位となっています。それだけ食塩摂取量が多いのに、どうして長寿なのかというのは、これからの検討課題です。それよりも検討しなければならないのは、どうして長野県の食塩摂取量が増えてしまったのかということです。
長野県は、かつては食塩摂取量が多いために動脈硬化が多く、女性の平均寿命ランクも1965年に26位だったのが、減塩への取り組みから2010年に1位となり、その座を今も守り続けています。
せっかく減らした食塩が、また増えたことで、これが長野県の女性の平均寿命の延びを抑えることにつながり、岡山県の女性の平均寿命を延ばし、わずか1日にも達しない差を埋める、場合によっては逆転をすることにあるのではないか、ということを健康事業の関係者と話しているところです。