学習支援33 勘違いされやすいギフテッド1

発達障害の自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害は他の状態と勘違いされやすいことから、誤診されやすいことをスクリーニングで排除し、それでも当てはまらないという状態でないと診断すべきではありません。その勘違いされやすいことの一つにギフテッドがあります。
ギフテッド(Gifted)は先天的に平均よりも高度な知的能力を持っている人を指す傾向で、アメリカでは「同世代の子どもと比較して、並外れた成果を出せるほど突出した才能を持つ子ども」と連邦教育省が1993年に定義しています。
ギフテッドはIQ(知能指数)が高く、特定の学術分野(数学、言語、芸術、音楽など)で高いレベルの潜在能力を持っていることが認められています。アメリカでは子どもの6%ほどにみられるとされています。アメリカではギフテッドの能力を最大限に引き出すためのプログラムが設けられていて、潜在能力を発揮させるカリキュラムが開発されています。
これに対して日本ではギフテッドの定義がないために診断がされず、発達障害と診断されることもあります。ギフテッドは自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害の両方と勘違いされることがあるものの、実態がわかれば自閉症スペクトラム障害との混同はなくなり、注意欠陥・多動性障害との混同を注意すればよいことがわかります。
注意欠陥・多動性障害は集中力がない、持続性がない、終わっていないのに次のことに移る、衝動的、他の人の前で自分の行動をコントロールできない、他の子どもに比べてエネルギーが溢れている、たくさん話す、会話やゲームに割り込む、ルールを守るのが苦手、勉強に必要なものをなくす、細かなところが見えていない、批判や評判に敏感といった特徴があります。