学習支援6 学習障害の特性①識字障害3

識字障害の例について、前回に続いて簡単に解説をします。
*形の似た文字を間違って読む(“め”と“ぬ”)
ひらがなの文字は形を認識して、その読み方と合わせて記憶として蓄積されていきます。形を正確に認識する機能が充分に働いていないと、細かな部分までの記憶ができず、似た形の文字が混同するようになります。“め”と“ぬ”のほかに、“わ”と“れ”、“ろ”と“る”、“ま”と“も”も混同しやすいひらがなです。また、“さ”と“ち”のように左右が逆転した形で記憶されることがあります。
*拗音(きゅ、しゅ)、促音(きって)が読みづらい
五十音のひらがなを一文字ずつ読むことができても、拗音や促音は2つの文字が組み合わされていて、五十音とは異なる規則性があることから、これが理解できないことがあります。読むことが苦手であると拗音と促音が見えただけで思考が止まる、読むのに時間を要することもあります。また、濁音の規則性がわからず、もしくはわかっていても言葉に出すまでに時間がかかるという例もしくなくありません。文字を理解して読むことができても、“お”と“を”、“わ”と“は”のように別の文字が同じ発音であることから混乱が起こり、見てから読むまでに時間がかかることも少なくありません。
*読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい
文字を言葉として捉えるための変換に時間がかかると、読んだ文字や言葉の意味を理解するのに時間がかかります。文章の意味を理解するのは、文字の理解の積み重ねの上に成り立っているので、意味の理解が遅れるか、一部が理解できないということが起こります。
*早く読むと内容が理解できない
ひらがなの文字を読むことができても、言葉として読むのに時間がかかることが多く、一定の時間内で読むことが求められると脳の負荷が大きくなります。早く読むのは特に負荷がかかることから、読むことへの拒否感が強まることにもなります。