学習障害171 カラフルなテキストが使いにくい

子どもが使うテキストはカラフルなものが目立ちます。教科書よりも市販のサブテキストは、書店で手に取ってもらいやすい、図書館に置いてあっても目立ちやすいということもあって、これでもかというくらいに多彩な色が使われています。注意を呼びかける色である赤は、よく使われる色です。
同じ赤色の種類であっても、通常の赤色から金赤と呼ばれる鮮やかで、輝いて見える赤いまで、いろいろな段階があるのですが、子どものための書籍では大人でも眩しく感じるような金赤が多く使われています。金赤はインクが赤100%、黄100%の一対一の割合か、黄が少し減って90%くらいのものが多くなっています。
感覚過敏の一つの視覚過敏がある子どもの場合には、鮮やかな赤色は見えにくいということはよく聞くところですが、中には気分が悪くなる、頭が痛くなる、視覚が乱れてふらついてしまうということまであって、色のために集中して勉強できなくなるという例も少なくありません。
三原色の赤、青、黄に強く反応する子どもが多い傾向があり、このうちの一つに過敏に反応することが多いのですが、中には全部の色に反応する例もあって、色付きの書籍に拒否反応も起こります。補色を使うと見えやすくなるということがあり、赤なら青、青なら黄という補色のメガネをかける、すべての色なら偏光レンズを使う、薄い色がついた透明(透過)の下敷きを使って色の刺激を減らすという方法が視覚過敏対策としてあげられています。
そのようなことをしなくても、モノクロでコピーして、それを使うことで見やすくなります。ただし、モノクロにすると、色の濃いところが黒くなり、どこに注目するのかがわからなくなるので、重要なポイントはカラーペン(もちろん視覚過敏が起こらない色を使う)で目立つようにするといった工夫は必要になります。