学習障害22 ひらがなの特有の法則を理解するのは難しい

ひらがなは単純なように見えても、用法の異なり、拗音、長音、促音、撥音といった複雑な使い方があり、前回に紹介したように論理的に法則を整理して見ると、非常に難しいことを小学1年生で覚えることになっています。それも50音を習ったすぐあとに短期間のうちに学ぶため、少しのつまずきでも先に進めなくなってしまうことがあります。
子どもの発達のスピードには差があり、1年生の1学期という学習環境に慣れないうちに法則を理解するのは難しいことで、中には難しいというよりも無理だという子どももいます。ましてや発達障害の学習障害がある子どもでは、マニュアルに従った指導だけでは理解させることができないということが、よくみられます。理解が難しい子どもには学年を一つ落として学ばせる(2年生で1年生の学習を再学習させる)という方法が使われることがありますが、発達障害の場合には3年生になってからも1年生で学ぶひらがなの法則を再学習させるということも必要になる場合が少なくありません。
50音は記号を覚える、丸暗記するように感じる子どももいるものの、あ行は母音だけで、それ以外の行は子音+母音でできていることが理解できれば、子音の口の形は同じであるという法則を気づかせることができます。横の段で読む「あかさたなはまやらわ」の下は「いきしちにひみ り 」となっていて、口の形は同じになっています。い段、う段、え段、お段が同じ子音であることがわかると、50音の面白さに気づくようになり、自ら楽しんで取り組むようになっていきます。
こういったことを振り返ってみて、理解していることを確認した段階で、再び前回に示した用法の異なり、拗音、長音、促音、撥音の再学習をして、理解度の違いをみていきます。場合によっては、さらに同じことを繰り返す必要がありますが、ひらがなが理解できないとカタカナが理解できない、その先の漢字も理解できないことになるので、基本中の基本は身につけられるまで続けていく必要があるということです。