小児のメタボリックシンドロームが増えている

メディカルダイエットについて教育をしていると、大人になってから対策をしても間に合わないと感じることも多く、小児とはいかなくても、せめて10代のうちには正しいダイエット知識をもって食事や運動に取り組んでほしいと思っています。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という肥満対策でもある健康基準があるので、これを活かして若い世代のダイエット対策をしてほしいのですが、大人のメタボリックシンドローム診断基準については比較的知られていても、小児のメタボリックシンドロームについてはほとんど知られていません。
大人のメタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が男性は85cm以上、女性が90cm以上になった場合に、検査数値の中性脂肪値が150mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たす、収縮期血圧が130mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上の片方か両方を満たす、空腹時血糖値が110mg/dl以上となっています。
これに対して小児期(6〜15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲は小学生が75cm以上、中学生が80cm以上、もしくは腹囲を身長で割った数値が0.5以上になった場合に、中性脂肪値が120mg/dl以上かHDLコレステロール値が40mg/dl未満の片方か両方を満たす、収縮期血圧が125mmHg以上、拡張期血圧が70mmHg以上の片方か両方を満たす、空腹時血糖値が100mg/dl以上となっています。
この診断基準が発表されるまでは小児期の肥満度は、実際の体重から標準体重を引いた数値を標準体重で割って、これに100をかけて計算していました。
肥満度(%)=(実測体重−標準体重)÷標準体重×100
この計算式によって、幼児では15%以上が肥満児、学童期以降では20〜30%が軽度肥満、30〜50%が中等度肥満、50%以上が高度肥満と判定されていました。
子どもが太るのは本人の責任というよりも、食事を作って食べさせている親のせいであり、孫を甘やかして余計に食べさせている祖父母のせい、そういった注意をしない周囲のせいというのは当然のことです。小児期メタボリックシンドローム診断基準があるということを知って、これに該当すると生活習慣病のリスクが急激に高まること、大人と同様に生活習慣病に苦しむようにしてしまうということを家族が認識して対応しなければ、大切な子ども、可愛い孫の一生を左右するということを強く意識してほしいのです。