尿酸対策のウォーキング その2

有酸素運動の中でも、特にすすめられるのは身体に無理がかからず、長時間続けられるウォーキングです。尿酸値が高い人は、太っている人が多く、ウォーキングだけでは物足りないという人も少なくありません。『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では、BMIが高値の生活習慣病の危険度が高いグループの痛風発症リスクは1.5倍も高くなっています。
しかし、激しい運動をしても痛風発症リスクは下がりにくく、適度な運動のほうがリスクの低下が大きくなっています。そこで、ウォーキングと同程度の負担であるにも関わらず、消費エネルギー量が多い運動としてスロージョギングがすすめられています。スロージョギングはジョギングのスタイルで身体は動かすものの、スピードはウォーキングのようにゆっくりとしたテンポで走る運動法です。
筋肉には、素早く身体を動かす白い筋肉の速筋と、持久力に優れた赤い筋肉の遅筋があります。速筋は乳酸がたまりやすく、疲れやすいのに対して、遅筋は乳酸がたまりにくく、直時間運動を継続できる利点があります。スロージョギングは、遅筋だけを使うもので、同じ速度(時速4km)で比較したところ、ウォーキングの消費エネルギー量が3.7kcalであったのに対して、スロージョギングは5.9kcalと1.6倍の効果があります。
尿酸値を低下させるためには、充分な水分の摂取も大切です。高尿酸血症・痛風の食事療法として、「1日に尿量2ℓ以上の充分な水分摂取」が示されています。尿酸の一部は尿として排泄することができるので、尿量を増やすことが有効となります。健康な人の尿量は1日に1~1.5ℓであるので、それよりも多くの量が必要です。尿量は1回あたり200~300mlなので、1日に7~10回トイレに行く量の水分補給をすればよいわけです。運動をすると喉が渇きます。体内の水分量は60~70%で、水分が1%減少すると喉の渇きを感じ、2%減少するとひどく喉が渇いて水分を補給したくなります。
この状態のときに水分補給を行わないと、血液中の尿酸の割合が増えて尿酸値が高まります。そのために尿酸値が高めの人が運動をするときには、頻繁に水分補給をする必要があるわけですが、水を飲んでも尿酸値は下がりにくくなります。尿酸はカルシウムやカリウムなどの化合物として排泄されるので、運動をするときの水分はミネラルを含んだスポーツドリンクを飲むか、運動の前にミネラルが豊富に含まれたサプリメントを摂ることも大切です。