岡山名物えびめしは東京で食べていた味

日本メディカルダイエット支援機構の理事長には、県民食の番組のアイデアを求める問い合わせがあります。その一つとして返答したのが岡山名物の「えびめし」です。甘さとカレー粉の辛みに特製のソースで黒く炒めたライスの中に海老が具材となっています。濃い味と思えるビジュアルなのにアッサリ味が特徴で、具材の海老は小エビのシュリンプです。
理事長は岡山行きを決めたときに、えびめしが岡山名物と聞いて、疑問を感じていたことを取材担当のディレクターに話しました。理事長は大学生として東京に住むようになったときには、渋谷の「カレーハウスいんでいら」に通っていました。カレーライスがメインでしたが、名物の一つにえびめしがあり、この店に勤めていた方が岡山で始めたのが、今のえびめしの始まりです。
いんでいらの渋谷の本店は2011年に閉店して、渋谷の道玄坂にあるのはフランチャイズ店です。閉店からフランチャイズ店に行くことはなく、久々に岡山で食べたとのことです。
いんでいらのメニューにカレーライスとえびめしのセットがありました。濃厚なカレーの味に、えびめしの少しスパイシーな味が案外と合うので、交互にスプーンを運ぶのが楽しくて、理事長と同じく鉄板注文メニューにしている人が多かったということです。
この合わせて食べるのに適した味は、岡山でも受け継がれているようで、カレーライスとの組み合わせだけでなく、ラーメンとのセットを出している店もあります。また、もう一つの岡山名物のデミカツ丼とのセットもあります。デミカツ丼はカツ丼を卵でとじるのではなくて、とんかつそのものにデミグラスソースがかけられています。デミグラスソースの黒い色とえびめしの黒い色は一緒ですが、甘みも共通しているものの、えびめしのほうは香辛料の刺激があるので、両方の味わいが楽しめます。
東京に行くときの駅弁は、東海道山陽新幹線の中で食べるものという認識でしょうが、理事長は岡山名物のセットの駅弁をお土産代わりに持っていきます。その中身は、えびめしとデミカツ丼です。初めに聞いたときにはえびめしの上にデミカツが乗っているのかと思ったら、左右にえびめしとデミカツ丼が分かれて入っています。デミカツには白いご飯が合うということです。今どきの糖質制限のブームからしたら、こんなに糖質が多い弁当はないというくらいのご飯の量です。
弁当をお土産代わりに持って行くのは、名物を食べてもらおうという気持ちはあるものの、その裏には食べ物がない移動時間の恐ろしさがあると言います。というのは、理事長は上越新幹線が通っていない時代に新潟県から特急で冬場に上京するときに、いつ雪で停まるかわからず、車内販売の食べ物が売り切れる恐怖を実感しているからです。新幹線が遅れることは、まず考えられない時代にも、食べ物なしには新幹線に乗れないという心配性です。