年を取るほど肉が食べられなくなる日本人

海外に行って、当地の人と一緒に食事をすると、消化力の違いに驚かされることがあります。アメリカでアメリカ人との違いを感じたのならまだしも、同じ東洋人、それも二世、三世ではなく、出身国の遺伝子そのものの人であるのに、消化力に大きな違いがあります。アメリカで一緒に食事をしたのは、日本人、中国人、韓国人の、それぞれ一世のグループでしたが、日本人は70歳を過ぎると肉が食べられなくなるのに、中国と韓国の方々は平気で若い人と同じように食べていました。韓国の方々は元々が北方の肉食人種ですが、現在の中国の主流となっているのは北方系の漢民族で、ずっと肉を食べてきただけあって、年齢を重ねても肉の脂肪を分解する胆汁が分泌されます。
それに対して日本人は、年齢を重ねると胆汁の分泌量が減ってきます。これは日本人が歴史的に肉を多く食べてこなかったことに加えて、長生きをしてこなかったために高齢になってから胆汁を多く分泌する必要がなかったことに関係しています。今でこそ世界のトップランクの長生き国ですが、日本人の平均寿命が50歳に達したのは昭和22年のことです。
それなのに高齢化社会を生き延びるために、「高齢者は肉を食べろ」と言われています。これは日本人は血管が弱く、血管を丈夫にするためには動物性たんぱく質を取るべきだという研究成果を元にしていることですが、肉を食べるといっても、肉の種類によって含まれる脂肪の量が違っています。脂肪の量でいうと牛肉、豚肉、鶏肉の順に多くなっていますが、脂肪が多くなるほど分解のためには胆汁が必要で、その分泌量が年齢を重ねるほど減っていくということは、脂肪の量を配慮して肉の種類を選び、量も考える必要があることになります。
私たちのダイエット教育もサプリメント教育も、このような事実に基づいて実施されています。