感染拡大から考えるトイレ対策

新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染で感染していくものとして、メディアではマスクと消毒の方法を発信しているので、それがマスクと消毒液の品切れを起こす要因にもなっています。メディアで情報提供する専門家の中には、通常のウイルス感染にみられる下痢も起こるので、便から感染することにも注意喚起をしています。しかし、診断の基準には入っていないために、他の条件が当てはまらないと不安を訴えても診察をしてもらえないのが現状です。
現在の診断基準となる感染が疑われる患者は、厚生労働省によると37.5℃以上の発熱があって、呼吸器症状があって、さらに発症前14日以内に中国の湖北省に渡航、居住していたか、それらの者と濃厚接触歴があることとしています。ということは、もしも37℃の発熱であった場合には、他の条件が全部そろっていても検査は受けられないことになります。
発症するまでの期間にも感染するのが新型コロナウイルスの特徴であるので、飛沫と接触だけを恐れての対策をするだけでなく、便からの感染も対策しなければならないことになります。公衆のトイレは衛生面を優先させると、腰掛け式の便座ではなく、どこにも身体が触れない和式、つまりしゃがんで用を足すことを選んでいます。しかし、環境面を優先させた腰掛け式のトイレは増えていて、公共施設でもデパートなどでも多くの人が使うトイレは腰掛け式がほとんどです。しかも温水洗浄便座では、勢いよく温水流を当てることから便が飛び散ってしまうことになります。温水のノズルにウイルスが付着していた場合には、それを受けてしまうことにもなるということです。
日本感染症学会が、街中で新型コロナウイルスの散発的な流行が起きていてもおかしくない状況という発表をしていることから、トイレでの感染も考えると個室に入ったら自分で便座だけでなくて壁も消毒をして、感染のおそれがある場所には触れないようにして、絶対に温水洗浄は使わない、ということが必要になります。そこまで気を使わなくてもよいのではないか、という意見があるものの、感染に気づかないうちに他の人に感染させてしまうという特徴を考えると、自分から広がっていかないようにすることも必要と考えられているところです。