感染拡大から考える中国へのマスク支援

国内でマスクが不足しているのは、中国人が大量購入しているからだということが伝わっていますが、実際には国内生産はフル活動で増産されているマスクが、国内の企業に買い集められているために市場に出回っていないことは、あまり知られていないようです。買い占められたマスクは、どこに送られているのかというと、最もマスク不足になっている中国です。必要性が高まれば高まるほど価格が高くても購入されるのが世の常で、その伝からいくと中国向けに売ろうとして大量購入しているということは簡単に想像がつくことです。
そんな中、日本の自治体や団体などがマスクを購入して中国に無償で送っているということも報道されています。これは日中の民間交流のよい話で、中国政府からも感謝の意が表明されて、これまでの関係悪化を緩めることになるのではないかと期待されています。しかし、その善意を無にしかねないような中国からの入国拒否が政府決定されています。もっと善意の輪を広げないといけないという考えもあるのでしょうが、ますます個人が使用するマスクが減ることにもなります。
日本国内でマスクが出回らないのは、日本企業の中国にある会社や工場のために確保しているということも影響しています。中国で生産される製品が日本に運ばれる、中国から世界に販売されていて、それが日本経済の一角を占めていることを考えると、国内で必要なマスクが確保されさえすれば、中国に送られるマスクを増やすことも当たり前のように考えられるという意見もあります。
なかなか結論が出ない議論になるかもしれませんが、大型クルーズ船に検疫に入った検疫官はマスクをしていたにも関わらず、新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。これを受けて、マスクでは感染は防ぐことができないのではないか、それなら中国に回ってもよいのではないか、という考えも広がってきています。しかし、マスクには一定の感染防止効果があるのは確かなので、やはりマスクマナーが守れる程度は国内に出回ってほしいということです。