感染拡大から考える日本の健康イメージ

日本は健康度が高く、長生きで、安全な国というイメージが世界に広まっています。新型コロナウイルスの対策については、健康と安全よりも経済を優先させるかのように大規模イベントの開催には自粛を要請しておきながら、それこそ世界最大の大規模イベントで、健康イメージの最たるものであるオリンピックは完全な形で実現ということを掲げているのは、世界的な健康のイメージに影響を与えないかという不安をあげていました。そして、オリンピックは延期の検討に入りました。
財務大臣が、自身のオリンピック出場を踏まえて「呪われたオリンピック」という発言をしています。80年前には戦争でオリンピックは中止になり、40年前にはモスクワオリンピックを日本もボイコットして、そして今年は新型コロナウイルスの感染拡大でオリンピックが中止になりかねない状態だということを言っています。
完全な形で実現ということは縮小、延期、中止ではなく、もともとの予定通りに実施することなのか、具体的な発言がない中で、どう考えてよいのか、スポーツに関わる人たちは困惑していました。それが延期に動いたということで、先が少し見えてきました。オリンピックではない国内の大規模イベントについては、専門家会議がリスクが低い地域については感染拡大に注意をして実施することを見解として提言していましたが、オリンピックが延期によって開催される条件として東京がリスクが低い地域になることが第一の条件となります。これは受け入れ側の言い分であって、日本に選手団を送り出す各国としてみれば、日本国内だけでなく世界中から観客が訪れる世界最大のイベントとなると、日本全体のリスクが低いことを求めるのは当然の心理です。
安全性が確保されるなら主催者の判断で大規模イベントを開催してもよいと言ってはいますが、専門家会議が、いつ感染の大爆発が起こるオーバーシュートが発生するかわからない、オーバーシュートが始まっていても拡大が確認されるまでは判断ができないという見解を示している中、なかなか世界最大のイベントに安心して参加できる、観戦できるという状況ではないと考える人が多いことが調査で判明している中では、まだまだ不安は払拭できないということです。