携帯電話の変遷で思い出す平成の時代

健康セミナーで過去の話をするときに、「1989年」とか「平成元年」と年をあげても、ピンと来ないという人は多くて、「改元のときに自分が何をしていたかを思い出すとわかるのでは」という話をしています。パソコンを例に出すと、Windowsは西暦の下二桁の数字(95)から始まったので、比較的思い出しやすいのですが、Mac派の人は思い出しにくいということもあります。私たちが例に出して、わかってもらいやすいのは携帯電話の変遷です。
「平成は携帯電話の時代」ということが平成の取りまとめのテレビ番組で紹介されていました。携帯電話が初めて登場したのは1989年、まさに平成元年のことだったとの紹介で、それぞれに年の新サービスを取り上げていました。これを見ていた日本メディカルダイエット支援機構の理事長が「平成元年が携帯の始まりではない」と言い出しました。外での仕事が多かった理事長は、ポケベルだけでは不便を感じていたところに、1985年にショルダーホンが登場して、「これなら自分のいるところがオフィスになる」ということで飛びつきました。
これは携帯電話と呼ぶのもはばかられるような重すぎる肩掛けタイプでしたが、1987年にはハンディタイプが登場して、このときに初めて携帯電話という言葉が使われました。900gほどもあって、簡単に携帯するという感じのものではありませんでした。
1989年に登場したのが小型携帯電話で、大きなポケットなら入るサイズでした。平成元年を携帯電話元年とするのは、持ち運びができるサイズの登場を指しているわけです。
1991年には超小型携帯電話との触れ込みでmova(ムーバ)が登場して、1993年にデジタル方式となりました。ここまではレンタルで、1996年に着メロが始まったときから売り切りとなっています。1999年にはインターネット接続、2000年にはカメラ付き、2001年には第3世代(3G時代)のFOMA、2003年には動画メール、2004年にはおサイフケータイ、2006年にはワンセグ、そして2008年にはスマートフォンのiPhone、2009年にはAndroidが登場して、今のスマホ時代へと続いているわけです。
この変遷のように見事に一つの時代を表すものは、なかなかないもので、年表化して平成を思い出すときに便利に使っています。