教えてもらったことが常に正しいとは限らない

教育現場を舞台にしたテレビドラマの中で、卒業式のときに教師が生徒に向かって「これまで教えてきたことは全部ウソです」と言い放ったシーンがあまりに印象的で、今でも鮮明に残っていて、セミナーなどの導入部で使うことがあります。セミナーで話したことの全部がウソであることはないものの、話したことの一部が将来的にウソになっている可能性はあります。セミナーの資料を作るときに最新のデータを引いてくるのは当然のことです。古いデータは間違いにもなります。特にインパクトがあるデータの場合には、それが強く印象に残って、間違いを引きずり続けることにもなりかねません。
セミナーの話でよく引き合いに出すのは、日本メディカルダイエット支援機構の理事長の栄養学の師匠と健康食品の師匠の言葉です。両先生ともに師匠といったら失礼かもしれないとは思うのですが、理事長の研究活動に大きな影響を与えて、生き方にも影響を与えたことは事実で、本人は人生の師匠と思っています。研究活動というのは、日本人の体質研究、運動・食事・休養の組み合わせによる体脂肪コントロールのことです。
栄養学の師匠は教えを受けた当時は日本栄養士会の理事長を務めていました。「自分が病院に配属された当時は糖尿病患者は尿から糖が出ているので、食事で糖を増やすように言われた」という話をされていました。当時というのは終戦から間もないことです。今の臨床栄養学で言えば、まったくの間違いで、命を縮めるような危険なことを指示されていた時期もあったということです。
この話を当法人の理事長が、健康食品の師匠であった栄養の学会の理事長に話したときに、自分も同じだったという話をされていました。「腎臓病患者は尿からタンパクが出ているので食事でたんぱく質を多く与えるように言われた」ということで、これも現在の臨床栄養学では逆のことを指示されていたわけです。
この事実を胸にとめておいて、情報収集と情報発信に努めています。その活動の一つが2010年の4月から続けている健康情報メールで、国や公共機関、大学などの研究機関の発表情報を収集して、毎週関係先に発信しています。このサイトから発信を希望することもできます。