新しい生活様式のアベノマスクの寄付先

新型コロナウイルスの感染拡大に対応するために、できるだけ早くマスクを配布するということで全世帯への配布が決まった再利用可能の布マスクですが、全国に配布されるまで時間がかかるだけかかり、届いたときには、もう店舗で普通に買えるようになった、必要性がなくなったという状況になってしまいました。
いらなくなったから、捨てるというわけにもいかないという気持ちになるのが日本人のよいところで、「こんなマスクじゃ使いようがない」と言われるようなマスクであっても、使えるところには使ってほしいという気持ちがあるのは当然のことです。「こんなのは使えない」というのは、大人用のマスクという認識があるからで、これが子ども用のマスクとしては、少し大きめであっても使えないサイズではありません。「大は小を兼ねる」という感覚からすると、こんなに便利なものはありません。
使えるものなのに必要ないということなら寄付をしてもらったらよいということで、子どもが多く集う学校や学童保育、発達障害児支援施設に寄付をして、使ってもらおうという機運が高まっています。必要ないからとゴミ箱に捨てるくらいなら、ということで、設けられているのが“赤ちゃんポスト”ならぬ“マスクポスト”です。赤ちゃんのポストは捨て子にするくらいなら、という複雑な気持ちから設けられたものですが、マスクポストは、そこまで複雑な感情はなしで、捨てる気落ちで寄付をしてもらおうというものです。
アベノマスクは、発表当時には「学校給食用のマスクか」とのツッコミがSNSに数多くアップされていました。全国民の感染予防という本来の目的をはずして、役に立つところに使おうという発想をするなら、まさに学校給食用に使ったら、それこそ役に立つものとして将来にわたって語り継がれる新しい生活様式の備品にもなるということです。