新型コロナウイルスの感染拡大と発達障害者の就職

新型コロナウイルスの感染拡大によって正社員として採用されずはずだった人の採用中止が相次ぎ、非正規社員での採用も減り、中にはパートやアルバイトの採用も減らしているような状況です。これまでの経済状況の中でも発達障害者の働き場は多くはなかったのですが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は発達障害者と、その家族にとっては厳しい状態になっています。
新型コロナウイルスの感染拡大が終息すれば、また就職事情も回復するだろうという甘い考えをする人もいますが、感染拡大による経済被害が目先の売り上げの減少なら回復をして、就職の状況もよくなることも期待できるのでしょうが、新型コロナウイルスの感染拡大によって社会システムの変革が必要になり、今までの常識が通用しなくなりそうな状況です。これでは期待はできないという考え方をする人も少なくありません。
これまでは売り上げが少ない、売り上げが減ってきたという状況でも、数を増やして薄利多売で乗り切ることができた業界が数多くあります。利益幅が少なくても、数さえ増やせば全体収益が上がって、事業を継続することも雇用を保つこともできました。薄利多売がいけないというのではなくて、薄利多売を続けるなら、これとは異なった収益法、それも薄利多売の手法が通じないような社会状況になったときに、問題なく稼ぎ続けられるようなバランスの取れる収益法を考えるべきです。
発達障害者の就職は、受け入れ先の変革だけでは継続させられるものではなりません。発達障害者も、これまでと同じ条件で受け入れられてもらえる、これまでと同じような能力を身につければよい、というような考えが通用する状態ではなくなります。いつ感染拡大によって社会情勢が変わり、経済活動を変えなければならない、そのための人材も余裕を持って入れられないという状況になると、特別な能力が求められるようになります。
発達障害者の支援というと、これまでは凹凸の凹の欠けている部分を埋めることが重視されてきましたが、これからは凸を伸ばしていって、他に負けない人材としないと通用しにくくなるということを考えて改善支援をするべき時代になってきているという認識です。