新型コロナウイルスは3密対策で収束できるのか

新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むために3密対策が中心に実施されているものの、それと同時にするべきことがある、という話をロックダウンを例にあげて前回、取り上げました。
感染予防の基本原則となるのは、感染源対策、感染経路対策、感染者(感受者)対策です。第一段階の感染源対策を充分に実施しないまま感染経路対策をしても効果があがりにくくなっています。感染源対策はウイルスを除去することと同時に、感染者の早期発見、隔離、治療が含まれます。ウイルス除去のための抗ウイルス剤なども建物そのものを抗菌・抗ウイルス仕様にしなければ、アルコール消毒を徹底させても完璧を目指すことはできません。
最後の感染者対策はワクチン接種を指していますが、国内での開発は遅れ、海外のメーカーに頼るしかない現状では、第一段階の感染源対策を徹底しないことには完全な予防は難しく、緊急事態宣言の発令も効果は期待薄という声が聞かれるのも仕方がないことです。
緊急事態宣言で実施されることが3密対策の飲食店の営業時間短縮、外出自粛だけでなく、早期発見のための検査の拡充が同時に実施されるならわからないではないのですが、感染してから隔離することは強化されても、肝心な発症前の段階での検査の実施、無症状の感染者から感染が広がることを防ぐことにまでは進んでいません。今回の一都三県の20時以降の飲食店の営業自粛、外出自粛は感染予防、無症状の感染者から感染を広げないための方策の一つだと主張する人もいます。
しかし、根本的に感染を広げない方法としては、徹底的に検査をして早く感染者を発見することに力を注ぐしかないはずです。今、感染者が多く発見されたら、ただでも満杯状態の医療機関に感染者が殺到して医療崩壊が起こるという意見もあり、なんで余裕がある段階で検査の拡充を行わなかったのかと批判する人もいます。そこまで追い込まれた段階だからこその緊急事態宣言だということで、その危機的状況の中の対策が3密解消だけでよいはずがありません。