旅は道連れ“要はお酒”

旅行の楽しみは、お酒があってこそという人は少なくないはずです。日本酒の味は蔵元によって個性があると同時に地域性も色濃くあって、その地域の食事の味付けが日本酒の味を左右し、日本酒の味が特徴のある地域の味付けを生んでいます。だから、旅先では地元の酒を飲みたいと願う人が多いわけです。
“旅は道連れ世は情け”というのは、旅は一緒に行動する道連れがいると心強いのと同じように、世の中を渡っていくときも人の情けや助けがあるのは大切だ、という意味で使われています。今時は、やかましい道連れがいるよりも勝手気ままな一人旅のほうを好む人も増えていますが、一人旅なればこそ日本酒は最良の道連れになります。その土地ごとの味わいを引き立ててくれるので、旅の醍醐味の一つである食事の道連れにもなります。
有名な銘柄の日本酒は、ほとんど飲んでいるという“通”であっても、地方に行くと季節ごとの限定酒があり、火入れをしていない生原酒も手に入ります。これらは販売期間が短く、地域でしか流通していないものもあって、これらが手に入ったときは、まさに旅は道連れであり、旅の楽しみが要はお酒であることを感じる瞬間です。
こういった限定酒の人気もあって、都市部でもイベントなどで飲めるようにはなりましたが、すべての種類と巡り合えるわけではなく、まだまだ巡り合ったのはラッキーという状態なので、旅先での大きな楽しみになっています。
最近は、生原酒だけでなく、無濾過の日本酒も登場していて、さらに珍しい日本酒に巡り合うのは超ラッキーとなっています。