日本酒は糖化が進むのか抑えられるのか

日本酒は米が原材料なので糖質が多く、身体の糖化を進めるということで、美容と健康を気にする女性には敬遠されがちです。ダイエットのために糖質を減らそうとする糖質制限でも、日本酒は避けるべきものとされています。しかし、日本酒は糖化が進まないアルコール飲料だという情報が広まってからというもの、美容にもダイエットにも日本酒はよいという話を飲み会の席でする人が増えてきています。どんな理由をつけても酒を飲みたいという人は、都合のよいデータを持ち出すことがあるので、実際のところを知りたいものです。
太るか太らないかはエネルギー量が最大の要因で、アルコールは1g当たり約7kcalのエネルギー量があります。同じ分量ならエネルギー量が高いほうが太りやすく、アルコール度数が同じなら多く飲むほど太るという当たり前の結果になります。ところが、糖質が多いほうが太るのだという糖質制限派の主張に従うなら、アルコール度数が同じでも糖質が少ないものなら、ダイエットという意味では安心して飲むことができることになります。
100g当たりの糖質量は、純米酒は3.6g、ビールは3.1gとなっています。日本酒ではなく、わざわざ純米酒と書いたのは純米は米から作ったアルコールが100%ということで、最も糖質の量が多いように思われます。しかし、実際の糖質の量は本醸造酒では4.5gとなっています。本醸造酒は醸造用アルコールを加えられた日本酒で、醸造用アルコールの量は白米1トン当たり120リットル以下と制限されています。醸造用アルコールというと米以外を材料とするものもあるのですが、本醸造は米が原材料です。
純米酒の原酒はアルコール度数が18〜20度(%)ほどとなっていますが、醸造用アルコールは100度となっています。そのために水を加えて度数を下げているわけですが、それでは味が薄くなることから糖類が加えられます。これが糖質の量が多い理由です。だから、糖質が気になるけれども日本酒が飲みたい人には、純米酒をすすめています。純米というのは米、米麹、水だけで作られた日本酒を指しています。
ビールのほうが糖質の量は少ないといっても、3.1gは淡色のビールの数字で、甘みがあるスタウト(ローストした黒ビール)は4.6gと量が多くなっています。ワインはブドウから作られていて、ブドウは甘いというイメージから糖質が多いのではないかと思っている人もいますが、ワインは赤が1.5g、白が2.0gとなっています。
これだけ見ると、日本酒は糖化を進めそうですが、糖化によって生成されるAGEs(糖化最終生成物)を日本酒には抑制する働きがあるので、飲むなら日本酒、中でも純米酒のほうがよいということを飲んべえの人は主張しているのです。