早食いは太るのかやせるのか

脳の満腹中枢は血糖値が上昇することによって反応して、これ以上は食べられないという反応が起こります。食欲にブレーキをかけるのは血糖値の上昇です。血糖値が上昇すると無条件に満腹中枢が働いてくれればよいのですが、満腹中枢が反応するためには15分くらいの時間がかかります。血糖値を上昇させるブドウ糖を短時間に多く摂ったとしても、時間が短縮されることはありません。
ということは、短時間に一気のブドウ糖摂取をした場合には、多くのブドウ糖が入ってきたにも関わらず、満腹中枢が反応しなくなり、食べすぎてしまうことになります。
それぞれの人の食べる量が決まっている御膳スタイルの食事なら、お代わりさえしなければ食べすぎることはないかもしれませんが、家族の分が大皿で出されるスタイルでの食事となると、早食いをすると満腹中枢が働くまでの時間があって、お代わりを自由にして、いくらでも食べすぎができることにもなります。
早食いは太る原因であり、血液をドロドロにさせる脂肪を摂りすぎる原因にもなると考えられています。しかし、食べるものの種類によっては太る、太らないに違いが出てきます。早食いをしても血糖値を上昇させるブドウ糖が多く含まれる糖質を食べていると、時間はかかっても15分以内には満腹中枢が働いてくれます。それに対して、糖質が含まれない食事だと早食いをしても、ゆっくりと食事をしても、なかなか満腹中枢が働いてくれません。血糖値は血液中のブドウ糖の量を示したもので、ブドウ糖が少ないものを食べたら血糖値が上昇するまでに時間がかかるようになり、なかなか満腹感を感じなくなり、どんどんと食べすぎてしまうことになります。
その食べるものが肉なら、1gあたり約9kcalの脂質(脂肪)が多く含まれています。糖質の約4kcalの糖質の2倍以上のエネルギー量なので、多く食べれば太るのは当然のことです。ご飯やパンなどを食べずに肉だけを食べたら、かなりの量が食べられるので、太るための食事法として糖質制限がされることもあるのです。