昼寝とウォーキングは免疫を高める

がんや病原菌などと戦う力である免疫は、免疫細胞の白血球が司っています。白血球は外敵と戦う軍隊のようなものなので、その数が多ければ攻撃力が高くて、免疫が高いと考えることができます。白血球の中でもリンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)の数は免疫の高さに大きな影響を与えているわけですが、血液中のリンパ球が多ければ、それで免疫が高いとは言えないことがあります。リンパ球はリンパ節の中にたまっていて、必要に応じて出動します。すべてのリンパ球が常に全身をパトロールしているのではなくて、必要になったときに出動するのは、出動していないときに重要な役割があるからです。
強い軍隊は戦いがないときには休んでいるわけではなくて、訓練をして攻撃力を高めています。リンパ球の場合には、どんな訓練なのかというと敵の状態を学習しています。白血球のマクロファージは敵を多く取り込んで処理する貪食を行うときに、どんな種類の敵が、どれくらい来たのかの情報を発していて、この情報をキャッチして敵に備えるのが、リンパ節の中にいるときのリンパ球です。そして、敵の種類と数に応じてリンパ球を出動させるわけですが、そのコントロールをしているのが自律神経です。
自律神経の交感神経の働きが盛んになっているときにはリンパ節の扉が閉じて訓練をしていて、副交感神経の働きが盛んになっているときには扉が開いてパトロールが始まります。そして、敵に遭遇したときには攻撃が始まります。訓練ばかりしていて、実際に出動・出撃できないのでは強い攻撃力も役に立たなくなります。そこで扉を開く回数を多くして出撃しやすくするために、副交感神経の働きが盛んになる時間を増やすことが免疫を高めることになります。
そのために最も役立つのは昼寝で、次がウォーキングだとNHKの情報番組で紹介されていました。これに次ぐのが足湯、瞑想、音楽ですが、どれもお金をかけずにやれることで、リラックス効果があることばかりです。リラックス効果があることを義務としてやるのはストレスがたまり、逆効果にもなりかねません。無理せず、頑張りすぎず、楽しみながら長く続けることが免疫を高めることになるということです。