更年期から骨が弱くなる理由

健康番組の主な視聴者は女性と高齢者であることから、骨密度をテーマにすると視聴率が高いようです。メインは高齢の女性となりますが、骨粗鬆症の患者は1300万人を超えていると推定され、骨密度の低下が始まっている予備群を含めると2000万人を超えていると考えられています。
もともと女性は男性に比べて身体が小さいことから骨格も小さく、蓄積されている骨量も少なくなっています。それに加えて、女性は閉経期をきっかけに骨量が大きく変化していきます。女性ホルモンのエストロゲンには破骨細胞の働きを抑制する働きがあることから、エストロゲンが多く分泌される間は骨量が大きく変化することはないのですが、閉経期になってエストロゲンの分泌が大きく減ると、破骨細胞の働きが急に盛んになっていきます。この段階で対処をしておかないと年齢が進むにつれて骨粗鬆症へと向かっていくことになりかねないわけです。
骨粗鬆症の予防にはカルシウムを摂ればよいと言われますが、カルシウムを付着して骨の中に溜め込んでいるのはコラーゲンです。では、コラーゲンが多く含まれる軟骨や鶏皮などを食べればよいと思われがちですが、コラーゲンはたんぱく質で、胃でアミノ酸に分解されて腸から吸収されます。体内に入ったアミノ酸は肝臓の中で身体に必要なたんぱく質に合成されます。コラーゲンを食べるのは無駄ではないものの、骨の中のコラーゲンを増やす働きがある骨芽細胞を働かせるようにすればよいわけで、そのためには足の骨に強い刺激を与え続ける運動やウォーキングをするのがよいということです。
女性は食事によるカルシウムの摂取量が少なく、必要量の4分の1も足りない状態になっています。いくらコラーゲンを合成しても、付着するカルシウムが少なければ骨が丈夫になってくれないのは当然のことです。