最も純粋な水はウォーキングで作られる

人間の身体は水分が多く、その量は全身の60%にも達しています。体重が60kgの人なら36kgが水という計算になります。そんなにも水が多いなら、飲む水を減らせばやせるのではないかと考える人がいるかもしれませんが、これだけの水分量は生きていくために必要なものです。別の言い方をすると、全身の細胞を正常に働かせるためには、これだけ多くの水が必要なので、飲む水の量を減らしても、そう簡単に体内の水分は減らないように調整されています。
血液とともに全身に運ばれた栄養素は、血管の端からは血管壁を通過して、血管の外側の細胞に運ばれていきます。その運び役をしているのが細胞外の水です。このことがわかると、水を多く飲んで水分不足にならないようにしよう、どうせ飲むなら汚れていない純粋(ピュア)な水を飲みたいと考えるようになります。完全に濾過をして不純物を取り除いた水は純水と呼ばれます。純粋は水素(H)と酸素(O)を結合させることによっても発生させることができます。この水(H₂O)は細胞の中の水と同じ状態なので、そのままの状態で細胞まで届けられれば、細胞レベルから元気にするのに役立つことは簡単に思い浮かべられます。しかし、飲んだ水は胃、腸、血管と通過している間に不純物が含まれて純水ではなくなります。
では、どうすればよいのかというと、体内で純水を作り出せばよいのです。体内で作られる水は代謝水と呼ばれます。細胞のミトコンドリアでエネルギー代謝が行われるときに、ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸はアセチルCoAに変化して、これが生化学反応によって酸素を使いながらエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)を作り出します。このときに発生するのが二酸化炭素と純水です。1日に水と食品から摂る水分は約2100mlで、これに代謝水の約300mlが加わって2400mlとなります。これに対して1日に体内から失われる水分は約2400mlなのでバランスは取れています。
運動をすると体温が上昇して汗が出ますが、細胞内で作られる代謝水も増えます。純水を細胞内に満たして、細胞を活性化させるためには効果的にブドウ糖と脂肪酸をエネルギー代謝させる運動が必要で、そのために実施したほうがよいのは酸素を多く取り込んで、長く続けられる有酸素運動のウォーキングです。